ジョン・フォン・ノイマン

出典: 涼ペディア

目次

科学の歩み

フォン・ノイマンの生涯 p13 より

科学の歩みは自分の死語ますます加速すると彼は予想し、他の科学者の想像も及ばない可能性についてそのなかで何ができるか、死のまぎわまで考え続けた。ヒトの神経系にならったコンピュータへのアプローチ(自身の言葉で「どう研究を進めるべきか体系化した予想の集まり」)がそのひとつ。また、「数」の概念をコンピュータ時代にふさわしい姿にそっくりつくり直さなければいけないとも思っていて、それがまだ手つかずの現実に心を痛めていた。

ノイマンが立ち向かいたかった分野

フォン・ノイマンの生涯 p14 より

晩年の講演や遺稿から察するに、そのあと突破口が見込まれる三つの分野にも、コンピュータをひっさげて立ち向かう腹だった。どんな順序で進むかはともかく、脳の理解と、細胞(遺伝子)の理解、そして物理環境(気象)の制御である。以上の四つ、つまり原子(核融合)、脳、遺伝子、物理環境への挑戦に加え、もうひとつ、たいしてあてにならない経済学と、それに輪をかけてあぶなっかしい社会科学のたぐいを、数学の厳密さをもちこんでまともな科学に育てあげたかった。

数学について

フォン・ノイマンの生涯 p15 より

学問分野あれこれにめぼしい進歩がないのは、数学がまだ熟していないからではないか。数学はただでさえ特殊な言語で、自分なら英語やドイツ語のようにすらすらわかっても、数学の話をすると「なんだか日本語で聞いてる気分ですね」と言われたりするのをこぼしていた。言語は、その顔つきの多彩さからわかるとおり、歴史の偶然が生んだものにすぎない。「ギリシャ語やサンスクリット語が歴史の産物であって絶対の必然性などなかったように、論理学や数学も歴史の産物、たまたまできた表現とみるのがたぶん正しい」。またこうも考えた。「数学もいわば二次言語である。脳の中枢神経には根源の一次言語があって、数学も、その上に構築された言語のひとつにすぎない」。

社会科学と化学の数学

フォン・ノイマンの生涯 p16 より

ニュートンを始祖とする物理学の数学化は「微分の発見につながった。微分は科学革命と切っても切れない関係にある……つまり、こうした分野(経済学などの社会科学)を格段に進めるには、微分に肩を並べる数学手法の発見が絶対だ……もっとも、物理でうまくいったやりかたに習うだけでは、社会科学の解明などしょせんはおぼつかないが。」ほかの分野、たとえば化学はもう少し甘くみていた。「物質系のふるまいを表す量子力学の方程式を積分できさえすれば、化学のかなりの部分は実験室から数学の領分に移せる」

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